日下部 一司 展
事物を眺める
2025年1月6日(月)-1月18日(土)
午前11時-午後7時(土曜日は午後5時まで)
日曜日休廊
Oギャラリーeyes
事物を眺める
写真を撮るようになって、ファインダー越しに視る風景のことを考えるようになった。
矩形の持つ縦・横の比率や、水平・垂直の直線が及ぼす写真への影響についてである。
それは目に見える世界の、どの部分をどのように切り取るかということでもあり、それで写真が成り立つのなら、なんとミニマルな表現方法なのだろうと思う。
作品を「作る」というが、最近は身の周りの事物とどう出会うかということが興味の中心になってきた。
作ることより眺めるほうが面白い。
このように言ってしまうと身も蓋も無いのだが、そういう境地にたどり着くために、これまで制作を続けてきたのだとも思う。
転がっている石ころを一つ拾って特定の場所に置くような行為は、写真撮影に似ている。
すでにそこにあったものを、カメラで切り取るように別の場所に置くことである。非日常な空間にいくつかのものが並ぶと、そこに新たな意味や解釈が生まれる。
選んだ単語を無造作に並べるのではなく、あるルールに従って並べると、文章でもないのに表現になるようなことだ。
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