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日下部一司展
2021年7月20日(火)-7月31日(土)
12:00-18:00 日曜日・月曜日休廊
ウエストベスギャラリー・コヅカ
〒460-0002 名古屋市中区丸の内2丁目4-19 マリービル2F
TEL.052-990-8777
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宝石のような写真を作りたいと思う。
宝石のような写真を「撮る」のではない。
宝石のような・・・、という言い方は誤解を生むかもしれない。
おそらく誤解されるだろう。
誤解を承知で話を進める。
次の2点に注目し制作を行うことにした。
1/物理的に小さい写真であること。
2/支持体の持つ物質感を内包する写真であること。
数年前に古道具市で写真アルバムを買った。
昭和初期と思われる風景や人物を撮ったモノクロームの写真が台紙にのり付けしてあるものである。
ところどころ写真が剥がされた部分もあって、所有者の意志の痕跡が残っている。
どれも小さなサイズの写真だ。
コンタクトプリントを切り取ったものもある。
気に入った写真(と思われる)が比較的大きく引き伸ばされ、このアルバムの違うページに貼ってあったりもする。
カメラも感光材料も高価だった時代だから、一枚一枚が貴重な記録であったことだろう。
現代の消費される写真とは違う存在感がある。
その意味で「宝石のような」写真なのだ。
思い起こせば、自分の実家にもこれと同じような写真アルバムがあって、そこには幼い私自身が写っていた。
やはり糊(あるいはご飯つぶ)で貼り付けてあって、写真の上に万年筆で書き込みがあったりもした。
あれも、戻れない時間の彼方を記録した映像と物質なのだ。
写真があの頃持っていたそういう部分・・・。
それを「宝石のような写真」と形容したのである。
時間は、刻々と過ぎていく。
「今」も、いずれ「昔」になるのだ。
今を撮ることは昔を撮ることでもある。
昔の風景と似ていても不思議ではない。

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