昨年制作した「雑巾がけ」による写真をまとめた。
変形A4サイズ8頁に63点の写真を載せている。
風景を愛でる
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240mm×210mm(折りたたみサイズ)
竹はだGA220kg
3つ折り8頁に63点の写真作品
2022年制作
[宝石のような]
宝石のような写真を作りたいと思う。宝石のような写真を「撮る」のではない。宝石のような写真を作るのだ。宝石のような・・・、という言い方は誤解を生むかもしれない。おそらく誤解されるだろう。誤解を承知で話を進める。
数年前に古道具市で写真アルバムを買った。昭和初期と思われる風景や人物を撮ったモノクロームの写真が台紙にのり付けしてあるものである。ところどころ写真が剥がされた部分もあって、所有者の意志の痕跡が残っている。どれも小さなサイズの写真だ。コンタクトプリントを切り取ったものもある。気に入った写真(と思われる)が比較的大きく引き伸ばされ、このアルバムの違うページに貼ってあったりもする。カメラも感光材料も高価であった時代だから、一枚一枚が貴重な記録であったことだろう。現代の消費される写真とは違う存在感がある。その意味で「宝石のような」写真なのだ。
思い起こせば、自分の生家sにもこれと同じような写真アルバムがあって、そこには幼い私自身が写っていた。やはり糊(あるいはご飯つぶ)で貼り付けてあって、写真の上に万年筆で書き込みがあったりもした。あれも、戻れない時間の彼方を記録した映像と物質なのだ。写真があの頃持っていたそういう部分・・・。それを「宝石のような写真」と形容したのである。
時間は、刻々と過ぎていく。「今」も、いずれ「昔」になるのだ。今を撮ることは昔を撮ることでもある。昔の風景と似ていても不思議ではない。
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