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  • 執筆者の写真szkbksk5

「風景を愛でる」

更新日:2022年11月4日

「風景を愛でる」の二集目を作った。(写真右)

デザインを同じにしたので、一見すると見分けがつかないほどだ。

来年一月、岐阜県美濃加茂市での個展ために現地で撮った写真も入れてある。

前集ではパノラマフォーマットの写真がなかったが、今回は数枚採用してみた。↓




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[フレームの向こう]

 静止した姿勢で眼球を動かし見える視野は、垂直方向に約125°・水平方向に約200°だそうだ。人間の視野の角度は縦よりも横の方が広いので、横長の画面が見やすいとも言われる。多くのカメラが横長のファインダーを採用しているのもこうした理由からだろう。もしかしたら縦長や正方形のファインダーは、人間工学的に抵抗感のあるかたちなのかもしれない。ともあれ、様々なアスペクト比で切り取る四角い眺めは人間の視覚ではない。それはカメラの眼であり、ファインダー越しに眺める矩形の世界である。

 絵画の場合はどうだろう。目に見える風景を画用紙にすべて描き込むことはできない。画用紙からはみ出てしまうからだ。別の紙を繋げて描き続けることはできる。はみ出す風景を上にも下にも斜めにも描き足していくのだ。どんどん繋げていくと、おそらく大きな球体の中心に自分がいて、球の内側に描かれたその風景を眺めることになるのだろう。そこで、なんだ風景を描写することは自分の位置を確かめることだったのかと気付くことになる。

 写真もそれと同じだ。したがって風景写真で何が写るのかといえば、対象と自分の位置関係だろう。こちらが少し動くと相手の様子が少し変わる。大きく動くと大きく変わるという単純なことだ。カメラで風景を記録しているつもりが、実は自分の場所を正確に写していた、ということだ。フレームの向こうの風景が私を見つめていたのである。



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