推敲の痕が残る原稿用紙を見るのが好きだ。
かつて見たことがある宮沢賢治の「アメニモマケズ手帳」の現物も面白かった。
集英社新書の「直筆で読む」シリーズもよかった。
大宰治の「人間失格」の原稿をそのまま印刷したものを読んだが、筆跡や線の入れ方、推敲の痕跡が彼の思考の痕跡として残っていて、活字で読むより面白い。
何を消してどのように修正したか・・・というようなことを楽しむ。
谷崎潤一郎記念館で見た、「細雪」の 反故原稿も興味深かった。
2本線で文字を消す方法などではなく、真っ黒に塗りつぶしてある。
もとの文言を絶対読まれないようにしているのだ。
消しました、という事実だけが残る。
16日から谷崎潤一郎記念館で永草次郎氏キュレーションの「現代アートからの谷崎礼賛ー岩野勝人・日下部一司」という展示に参加することになった。
「谷崎礼賛」というタイトルは、おそらく陰翳礼賛から来ているはずだ。
「陰翳礼賛」は谷崎のエッセイで、日本家屋の光と文化について述べている。
光といえば写真だ。
光の痕跡が写真だから、僕は写真を雑多に展示をしようと思い立った。
あと、空間の中で刻々と変化する光を観察するためのオブジェ(既製品)を配置しようと思っている。
それにしても、谷崎潤一郎の愛猫「ベル」の剥製があるとは知らなかった。
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以下、谷崎潤一郎記念館ホームページより抜粋
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【庭園ロビー展】
現代アートからの「谷崎礼讃」~岩野勝人・日下部一司~
谷崎ゆかりの庭園とそれを眺めるロビーにて、現代アーティストが谷崎の美意識にインスピレーションを得て自作の展示に挑みます。
会期:2023年9月16日(土)~12月10日(日)
開館時間:10:00~17:00
(入館は16:30まで)
月曜休館(祝日は開館し、翌日休館)
会場:庭園とロビーギャラリー
観覧料:一般500円、大高生300円、中学生以下は無料
※団体料金(20人以上)は2割引き
※65歳以上および身体障害者手帳、精神障害者保健福祉手帳、療育手帳をお持ちの方、 ならびにその介護者1名は半額
★11月11日(土)・12(日)は観覧無料です。
【トークイベント】
トークイベントでは、出品作家の岩野氏と日下部氏のお二方へ、今回の「谷崎礼讃」作品への思いなど、 ゲスト・キュレーターの永草氏(帝塚山学院大学教授・Ns ART PROJECTディレクター)が進行役となってお話を伺っていきます。
日時:11月26日(日)
14:00~15:00
場所:当館ロビー
定員:30名(要予約)
観覧料のみでご参加いただけます。
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